「焼かないタイプの陶芸家」とは?
果たして、焼いていない陶芸を陶芸と呼べるのか。自分を陶芸家と呼べるのか。
陶芸の定義を調べると、「土を練り固め焼いて作ったもの」や「粘土を成形して高温で焼成、(以下略)」と書かれています。おそらく「焼く」ことで陶芸品たるものになっているように読み取れます。
「じゃあ、焼かないのは陶芸じゃないじゃん!」と思われる方もいらっしゃると思います。はい、たしかにそうですね。
私は、焼かないこと自体、作り方そのものに強いこだわりはありません。一方で、「ありそうで無いこと」や「無さそうであること」のような、常識の隙間を見つけて考えることに興味があります。「常識の中にある違和感」を形にすることで、より理解を深められ、それを楽しく感じます。
例えば、貼らないタイプのホッカイロは、貼るタイプのホッカイロがあるから存在するのでしょうか。xxxなタイプと誰かが言えば、あたかも世の中がxxx派とxxxじゃない派に分かれているようにも聞こえます。
「焼かないタイプの陶芸家」は、そのような「変な感じ」「不思議な感じ」を含めた肩書きだと思い、名乗ることにしました。
え? そんなに面白くない!?
あれれ??
プロフィール
川 尻 智 幸 ( Tomoyuki Kawashiri )
1981 長崎県生まれ
2003 拓殖大学 工学部工業デザイン科 卒業